馬頭観音ーなぜ馬か?

馬頭観音は密教の仏像で平安時代はヒトのための仏であったが、なぜか馬の守護神のようになってしまった。なぜ馬の格好をした仏像が作られたかについてヒントらしいことがわかったので書いてみる。

密教の中心的な仏像は大日如来であるが、この仏は古代インドにおける理想的な帝王、転輪聖王(れんりんしょうおう)を意識して製作された。その転輪聖王は世界を平和に統治するために、象、馬、法輪、法螺、宝珠などの7つの宝を備えているが、大日如来の身体にはこの宝の半数以上が描かれている(密教とマンダラ:頼富本宏著)。この宝の馬を強調した仏像が馬頭観音だと思われる。