「戦争に征った馬たち」

表題の「戦争に征った馬たち」(著者:森田敏彦)という著書があることを今日の新聞の書評欄で知った。馬とヒトの出会いは最初は食料としての馬だったと云われている。世界中の遺跡で馬を食料としていた証拠が見つかっている。その次が軍馬である。世界史的にみても、ローマ帝国から両世界大戦まで馬は戦場で「武器」として使われてきた。日本においても、鎌倉時代から太平洋戦争まで馬は戦争目的のために使われていた。
この著書はとくに日本の近代の日露戦争・日中戦争・アジア太平洋戦争で戦地に征った馬たちの運命を全国に残っている「軍馬碑」(全国で950基あるそうだ)を基に調べている。ぼう大な数の馬が「出征」していった。兵士は帰還した人もいたが、帰還した馬はゼロに近い。
軍馬、いわば「動物兵士」を消耗品とした近代の戦争の実相がある。これは「人兵士」の扱いにも通じるものである。

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